家電も車も買わない、恋人も要らないと思っている現代の若者(私もそうですが)でも、
会社に囚われずに、ひとりでも稼ぐ力が欲しいと思っています。
お金がすべてではないですが、
生きていくために、お金は最強の道具です。
そんなお金を「稼ぎたい」と思っているひとほど稼げていない。
反対に、「なぜこのひとが?」というひとの方が稼げているように感じます。
現代人が稼げない一番大切な理由に、
「返報性の法則」というものがあります。
今回は、稼げない理由に最も関係している「返報性の法則」について書きます。
「返報性の法則」とは、心理学の言葉です。
わたしは心理学者ではありませんが、この法則のちからは何度も経験しています。
あたなもきっと思い出せるでしょう。
これは、「相手から何かをしてもらったら、お返しをしなければならない」と考える法則です。
先日も、この「返報性の法則」の影響力を体験しました。
ある日、わたしは会社の前で財布を落としました。
夜も遅く、あたりは真っ暗です。
中身は数万円入っていました。
諦めて、カード会社に電話して、カードを止めてもらいました。
次の日、憂鬱な気持ちが会社へ行ったところ、
昨日落とした財布が届けられていました。
しかも1円も減っていません。
届けてくれたのは、他部署のパートさんでした。
もちろん、会いに行ってお礼はいいましたが、
拾ってくれたお礼に「相手になにかする」ということをしませんでした。
(仕事が遅くて忙しすぎた・・・など言い訳はいろいろありますが・・・)
大切なのは、私がどんな気持ちになったか?ということです。
お返しをしていないことで「むずむずして落ち着かない」気持ちになり、
会社でそのパートさんとすれ違うたびに「後ろめたさ」を感じてしますのです。
すごく、嫌な気持ちです。(私の自業自得ですが・・・)
このように、ひとに「何か」をしてもらったときは、「何か」お返しをしなければならない、という気持ちが働きます。
これは、全世界で共通する法則です。
お誕生日プレゼントをもらったら、その分お返しをする。
逆に、何かお返しを返すことを嫌がるあまり、そもそもプレゼントを受け取らない、というひとも多数います。
恩を売りたくないのですね。
アメリカ映画でも「返報性の法則」は見られます。
例えば、ある男が何か難しい頼みごとをする際に、「お前は俺に借りがあるよな?それをいま返してくれ!」そして、それを言われた男は、普通は断るような頼みでさえ受け入れてしまいます。
この法則を守らないひとを、世間は「恩知らず」や「恩を仇で返すひと」というレッテルを張るため、人々はこの法則に則った行動を自然と行っています。
抽象的な表現になりますが、
お金を稼ぎたい!という思いが強いひとは、「人からなにかを奪う」という思考が多い。
「弱者から搾取する」「どうやったら財布の紐を緩めることができるか」を考えています。
逆に、お金を稼いでいるひとは、
「どうやったらもっとユーザーが満足する価値を提供できるか」「どうやったらもっと喜んでくれるか」という「提供」ベースの思考です。
「返報性の法則」は、いかなる時にも、いかなる場所でも作用します。
「より多く与えているひと」が、結果的により多くのお金を受け取ることができるのです。
スーパーの試食品コーナーでも同じです。
お客様は、試食をしてしてしまうと、必要でないのについつい1つ買ってしますのです。
ビジネスでは、これを利用して先にこちらから提供します。
「奪う」ベースの思考で、いきなり売り込みをされても、お客様は商品を買いません。
お得な情報やモノを「提供」して初めて買ってくれるのです。
ブログでもアフィリエイトでもアドセンスでも同じですね。
売り込みの記事ばかりでは、面白くないし価値も感じません。
よって、いくらたくさんの広告を掲載していても、ユーザーは商品を購入しません。
そのため、情報の発信者は「無料でいかに質の高い情報を提供できるか」ということを一生懸命考えて実践しています。
恋愛や人間関係でも同じですね。
こちらが相手を嫌っていれば、当然相手からも嫌われます。
反対に、好きになってほしければ、こちらから好きになります。
仕事でも恋愛でも、この法則は作用します。
「見返り」を目的に提供を続ける人間もどうかと思いますが、
お金を得たければ、こちらから「徹底的に提供すること」が大切です。
最後に、
ビジネス心理学のバイブル「影響力の武器」の著者ある、ロバート・B・チャルディーニの言葉を引用します。
返報性のルールにより、私たちが行動という形で撒いた種は、その味が甘くても苦くても、必ずや私たちのところに戻ってくるのです。