なにか事を成そうと思い、努力する。
でも・・・思うような結果がでない。
「本当に正しいの?」「もう辞めて別のことをしたほうがいいんじゃないの?」など・・・
弱気な考え方が出てきてしまうものです。
努力は必ず、100%報われます。
けれど、陥りがちなカラクリがあるのです。
「なぜ努力は報われないと感じるのか」「どのように努力すれば夢が叶うのか」、
伝統的な日本の成功哲学を紐解いていきたいと思います。
思いはいわば種であり、人生という庭に根を張り、幹を伸ばし、花を咲かせ、実をつけるためのもっとも最初の、そしてもっとも重要な要因なのである。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
心の描いたものが実現する。
世界中で柱になっている成功哲学です。
仏教でも「思考が業をつくる」という言葉があります。
この法則は間違いなく事実です。
本当にその通りになるものです。
それでは、心に描いたものが実現する方法と、それが結果に見えにくい理由は何なのか?
稲盛和夫氏の著書「生き方」 サンマーク出版を紐解いてみたいと思います。
目の前に100万円が出てくる。
そう思っても、目の前に100万円は出てきません。
あれ?「思ったこと」が「現実」になるんじゃないの?
これが実現しないのは、2つの理由があります。
①どのように「思うか」が大切であること。
②時間軸の考え方
では、どのよううに思えば実現することができるのか。
その人の心の持ち方や求めるものが、そのままその人の人生を現実に形作っていくのであり、したがって事を成そうと思ったら、まずこうありたい、こうあるべきだと思うこと。それもだれよりも強く、身が焦げるほどの熱意をもって、そうありたいと願望することが何よりも大切になってきます。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
京セラの名誉会長、稲盛和夫さんの言葉です。
この考えかたは、松下幸之助さんや本田宗一郎さんも同じです。
またこの考えかたで大切なことは、
ただ「思う」のではなく「強烈に思う」ことです。
これだけで、ものごとのほとんどは成功したと言えます。
経営者だけでなく、スポーツ選手や芸術家も同じです。
ものごとを成す人は「必ず」強烈に思い描いています。
これに例外はありません。
ただし願望を成就につなげるためには、並に思ったのではダメです。
「すさまじく思う」ことが大切。漠然と「そうできればいいな」と思う生半可なレベルではなく、強烈な願望として、寝ても覚めても四六時中そのことを思いつづけ、考え抜く。
頭のてっぺんからつま先まで全身をその思いでいっぱいにして、切れば血の代わりに「思い」が流れる。それほどまでひたむきに、強く一筋に思うこと。そのことが、物事を成就させる原動力となるのです。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
「自分は本当にこれをやりたいのか」「心のそこから、やりたいと言えるものであるか」
まずは、明確に「やりたいこと」「なりたい姿」を思い描くことが大切です。夢に出てくるレベルまで思いつづけることが大切です。
けれど、「やりたいことが見つからない」という人も多いのではないでしょうか。
なんとなく「こんな風になれればいいなあ」というものあっても、明確な夢や目標はない。
それでも大丈夫です。
逆に「これだけは絶対にしたくない」と思うことがあればいいのです。
私は、「このままサラリーマンを続けるのだろうか。毎月70時間以上の残業。心も体もボロボロで回復しない状態。人生に情熱がなくなっている。これだけは絶対に嫌だ。自分らしく働いて、自分らしく評価されたい。そして、自分の仕事で少しだけ人を幸せにしたい。」
そんな若気の至りで起業を志し、気がつけば実現していた状態です。
稲盛和夫さんや松下幸之助さんには到底及ばず、まだまだ半人前の私でも、一応は実現できています。
「強烈な思い」はある。では次は?
完成系がくっきりと見えるようになるまで、事前に物事を強く思い、深く考え、真剣に取り組まなくては、創造的な仕事や人生での成功はおぼつかないということです。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
自分が成功している姿を、イメージすることはできますか?
それも「なんとなく」のイメージではダメです。
あたかも一度現実で経験しているかのようなレベルで「明確」にイメージできなければなりません。
これは、スポーツ選手もよく使っている方法です。
また世界的に有名なコーチも、この方法を使っています。
イメージするということは、当然「こうなったらどうしよう?」
というような不安要素も見えてきます。
その不安要素に対して、いろんな対策を考えます。
何通りも、何通りも、イメージを繰り返し。
そのイメージが、あたかも現実のように思えてきます。
そうなった頃には、自分でも「現実に起こったこと」と勘違いしてしまうくらいです。
そして、それだけイメージができていれば、ふとした瞬間に解決のアイデアが思いつくものです。考えれば、考えるほど、いろんなアイデアが溢れてきます。
さらに稲盛和夫氏は、イメージできるものは実現出来るものと説いています。
そもそも、こうありたい願うこと自体、それを実現する力が潜在的に備わっている証拠です。人間は素質や能力がないことを、あまりしたいとは思わないものです。
ですから自分が成功した姿を思い描けるということは、その人にとって成功の確率がきわめて高いということなのです。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
しっかりとした「思い」をもって、努力を続けている人がたくさんいます。
けれど、なかなか思うような結果がでない。
夢と現実のギャップに焦る毎日。
私も、夢と現実のギャップに焦る日々を送っていました。
今でもそうです。
実現したい明確な夢もある。
そして、イメージも明確にできている。
努力も続けている。
でも、結果がでない。
ここで大切なのは、時間の考えかたです。
私も、ものごとを2、3年の短いスパンで、時には半年ほどのスパンで考えてしまいがちです。それで結果がでないと嘆いている。
そんなに短い期間では、結果がでないのは当然です。
けれど、正しい考えかたで努力を続けていれば、必ず報われる。
長いスパンで見れば、人生の帳尻はきっちりと合う。
多くの先駆者が、このことを証明してくれています。
大きすぎるくらいの夢を持つこと。
そしてそれを実現した姿を明確に、細かいところまでイメージができる状態にすること。
あとは諦めずに、日々努力を続けること。
言葉にすると、本当にシンプルなことばかりです。
親や部活の監督などから教えてもらうような、基本的な考えかたです。
結局人生には「いま」この瞬間しかありません。
思い描いた将来を実現するために、「いま」何をするのか。
それが一番大切なことです。
目はいくら空の高いところを見ていても、足は地面を踏むことしかできません。ー「生き方」サンマーク出版 稲盛和夫著
私のもっとも好きな言葉です。
諦めそうになるとき、焦っているとき、この言葉を思い出します。
人生は「いま」の連続です。
どんなに壮大な夢を描いても、それを実現するためには、毎日一歩づつ歩んでいくしかありません。ショートカットなど、できないのです。
毎日の1歩が明日を作り、1週間、1ヶ月、1年と、未来をつくります。
今日よりも、少しだけ良い明日を目指す。
少しだけ良くなるように、工夫をする。
これもまた、大切な考えかたです。
稲盛和夫さんも、今の状況では到底できないような仕事を引き受けてきました。
なんでも仕事を引き受けばいいのではありません。
けれども「今の自分にはできない」という理由で仕事を断っていれば、せっかくのチャンスを逃すことになります。
今の自分にはできないけれど、将来の自分にはできる。
そうやって仕事を引き受けて、一心不乱に仕事に打ち込む。
「根拠のない自信」と「熱意」さえあれば、ほとんどの仕事はなんとかなるものです。
そして仕事だけでなく、いろんなことに挑戦したいものです。
自分の能力を未来進行形で考えて、とりあえず飛び込んでみる。
そこにはいろんなチャンスや出会いが待っています。
ものごとの成就には、熱意をもって継続することが必要です。
けれど、嫌いな仕事を継続することはできません。
日曜日の夜に、明日の仕事を考えて憂鬱になるのでは、熱意をもって継続することは難しいでしょう。
継続するには「好き」でなければなりません。
今の仕事を好きな人は、どれくらいいますか?
毎日、毎日、憂鬱な日々を送っていませんか?
いっそ仕事をやめて、アルバイトをしながら好きな分野の仕事に挑戦することも素晴らしい選択です。
けれど、簡単に仕事を辞めることはできない。
いやいやながらも、続けていくしかない。
結局それが、その人のしたいことなのだけれども、
仕事を好きになり、熱意をもって取り組めないのは事実。
では、どうすればいいのか。
まずは1ヶ月だけでも、なにも考えず、
とにかく一心不乱に仕事に打ち込むことです。
好きと嫌いはコインの表と裏のようなものです。
仕事が好きだから、仕事に打ち込むことができるし、
仕事に打ち込むことができるから、仕事を好きになることができます。
どちらが先でもいいですが、「好き」という感情は必須です。
すぐに仕事をやめることができない人(辞めることが正解ではないですが)
そんな人は、1ヶ月だけ死ぬ気で働いてみましょう。
特に若い世代のサラリーマンは、自分の「生き方」を考える時間がほとんどないでしょう。
毎日毎日、必死に仕事をして、ゆっくりと考える時間を取ることができない。
なにも考えずにただ生きること、これも1つの素晴らしい選択です。
けれど、一回きりの人生、何か1つ成し遂げたい夢があるのであれば、実現したい。
「思い描けることは実現できる」これほど力強いメッセージはありません。
ここで「何を思い描くか」が大切です。
自分のキャンパスを、自分の好きなように描いていいのです。
少年・少女に戻った気持ちで、大きな大きな夢を描きたいものです。
夢を描いたら、実現する方法はたくさんあります。
先人たちが教えてくれます。
なにも心配することはありません。
大切のは、あなたの考え方と熱意。
たったそれだけです。
大きな夢を描いて、周到な準備をした後は、
思い切って、人生を楽しみましょう。