GREEN DAY『REVOLUTION RADIO』のレビュー|全曲聴いた感想

 

『全世界待望のニューアルバム』

 

2016年9月7日、ついにGREEN DAYのニューアルバムが発売されました。

全米やヨーロッパではツアーも始まっているみたいですね。

1日でも早く来日してほしいものです・・・・・

 

グリーンデイは、インディー時代から数えると実に30年ほど、

これほど長い期間、ファンをワクワクさせ続けるバンドも少ないものです。

そしてライブでは、世界で最も観客が合唱するバンドとも言われています。

2015年にはミュージシャンとして最高の栄誉である『ロックの殿堂入り』も果たしています。

 

セルフプロデュースの今作は、どんな仕上がりになっているのでしょうか。

数回アルバムを通して聴いてみましたので、レビューしてみたいと思います。

1曲ごとに聴いてみた感想を書いてみます。

 

1、『Somewhere Now』

 

アコースティックのイントロから始まる一曲目のSomewhere Now。

そして一気に音圧が上がり、キャッチーなメロディと一体感のある演奏。

『これぞグリーンデイ』と一曲目から感じされてくれる曲。

新しいアルバムの始まりにふさわしい、わくわくするような曲に仕上がっています。

歌詞の内容は、薬漬けになったり、ハイになったり、自分を見失ったり、

そんな人物が本当の自分、大切だったもの、失ったものを、

最後に見つけていくようなストーリーを感じる歌詞になっています。

 

今まで何十年も休まずに活動を続けてきたビリーの心境が書かれているのでしょうか。

アルコール依存症からの回復した心境を書いているのかもしれません。

私たちの生活に置き換えると、

日々の忙しさから、実現したい夢や本当にやりたかったことを忘れてしまったりと、

共感できる大人も多いのではないでしょうか。

長年グリーンデイを聴いている人は、もう30歳を超えている人も多いので、

今の自分の境遇を振り返ってみるきっかけになる曲かもしれません。

 

2、『Bang Bang』

 

ドラム、ギター、ベースが静かになり・・・そこから一気に爆発。

あとは最後までストレートなパンクロックが続きます。

アルバムの中では最も勢いのあるパンクソングに仕上がっています。

こんなシンプルなコード進行とリズムでも、

最高のメロディを乗せ、ドラムとベースの最強の一体感はグリーンデイだからなせる技ですね。

そして中盤の進行が変わる部分でも、良いアクセントになっています。

この辺はAmerican Idiotなどの組曲で培った技術かもしれません。

一言で言えば、全てが完璧なストレートなパンクミュージックです。

ビリーのメロディセンスはなぜこんなに素晴らしいのでしょうね。

 

歌詞については『犯罪者の視点』で書かれていると言われています。

派手な事件が多いアメリカならではの社会情勢が現れていますね。

私たちも犯罪とまではいきませんが、頭がどうにかなってしまいそうな日がありますよね。

そんな日に聴くと共感できそうな内容の歌詞になっています。

 

3、『Revolution Radio』

 

アルバムタイトルにもなっている三曲目。

サイレンのようなギターイントロ、トレのドラムロール、そして一気に爆発。

その後は王道の展開。

ビリーの最高のメロディと最高のドラム・ベースの演奏が聴けます。

これぞGREEN DAYと言える、最高にキャッチーなメロディが印象的です。

ライブでは間違いなく盛り上がりそうな楽曲に仕上がっています。

早く日本のライブで大合唱したいものです・・・・・

 

歌詞は、「叫べ、歌え、人生を取り戻せ」など、

グリーンデイらしいエネルギッシュな内容になっています。

思考停止になってしまっている時に、本来の自分を取り戻せる。

そして活動するためのエネルギーをもらえるような曲です。

 

4、『Say Goodbye』

 

コラースと独特の演奏が印象的な4曲目。

少し説明するのが難しいような楽曲です。

個性的な曲ですが、メロディはグリーンデイらしいキャッチーな仕上がりになっています。

少しラテン的な中東的な、なんだかそんな印象も受ける曲です。

 

歌詞に関しては、あらゆる状況に苦しんでいる人に向けて書かれているのでしょうか。

ネガティブな単語が多く感じられます。

こういう楽曲はアメリカンイディオットあたりから出てきていますね。

それをシンプルなパンクにブラッシュアップしている印象です。

アルバムで聴くと良いアクセントになっていますね。

 

5、『Outlaws』

 

美しい曲に仕上がっている5曲目。

美しいビリーの歌声とマイクのベースライン。

静かな始まりから、その後壮大な展開になっていきます。

ビリーはこういう曲も本当に上手いですね。最高です。

曲の途中のトレのタム回しなど、ドラムの仕上がりもすごいです。

 

歌詞は今まで歩んできた道のりを振り返るような内容ですね。

夜の部屋で一人お酒を飲みながら過去を振り返る・・・・・・・

そんな瞬間に聴きたい一曲です。

最後にはなんとも言えない爽快な気持ち、エネルギーを感じます。

 

6、『Bouncing Off The Wall』

 

キレの良いギターのリフと、

最高にキャッチーなメロディがすーっと頭に入ってくる曲です。

こんなメロディを毎回書けるビリーの才能には本当に驚かされます。

さすが、世界最高のメロディメーカーですね。

曲の展開、サビのメロディ展開も本当に素晴らしいものです。

シンプルなギターリフも好感です。

 

そんなキャッチーな曲調とは裏腹に、

歌詞の内容はもがき苦しむ姿が想像できます。

自由を求めて少し狂ってしまったような・・・そんな印象です。

どう解釈すれば良いのか少し難しい内容。

 

7、『Still Breathing』

 

クランチサウンドのギターとビリーの歌声。

この曲のビリーの声はめちゃくちゃ良いですね。

過去最高の声質ではないかと感じるほど良い声をしています。

そしてサビでは一気に音圧が上がる王道の進行。

グリーンデイ節全開ですばらしい仕上がりの楽曲。

曲のメリハリ、静と動の切り替え、グリーンデイは本当に演奏上手いですね。

 

歌詞で印象に残ったのは『俺はまだ生きている』という言葉。

この言葉が繰り返し書かれています。

これまで休まずに活動を続けてきたビリー、

アルコール依存症で破滅寸前の状態から復活したビリー。

そんなビリーの心から出てくる感情が表れているのかもしれません。

帰ってきてくれてよかった、感動する一曲です。

 

8、『Youngblood』

 

 

最初から最後までキャッチなーメロディが印象的な曲。

とにかくシンプルな構成で、極上のメロディが楽しめる楽曲に仕上がっています。

こんなシンプルなメロディでも、グリーンデイが歌うと味があるんですよね・・・

もう彼らの音楽は最高の域に到達してしまっているのかもしれません。

超ポップなパンクロックが好きな人にはかなりお気に入りの楽曲になるはずです。

 

歌詞は・・・・・・よく分かりません。笑

女性に悩まされている男性、印象的な女性と出会っている人なら共感できるかもしれません。笑

 

9、『Too Dumb To Die』

 

シンプルなギターとビリーの印象的な歌声から始まるこの曲。

それからバンドの一体感のある演奏、頭に残るメロディが続きます。

こういうメロディの展開、演奏のメリハリ、

彼らがいかに長い間1つのバンドとして活動してきたのか、その実力を感じる曲です。

ベースもドラムも本当にいい音出しているんですよね。

世界のどこを探しても、こんな現役バンドいませんよね。

ギターソロもドラムのフィルインも、シンプルですが絶妙なタイミングで入っています。

 

歌詞は・・・・まさに青春ですね。

聴いていると高校時代を思い出しました。

温かい気持ち、昔の気持ちを取り戻せる楽曲かもしれません。

 

10、『Troubled Times』

 

少しダークな印象を受けるこの曲。

演奏や構成はシンプルですが、味わい深い個性的な曲に仕上がっています。

歌詞の内容も、絶望、不安、疑い、そんなイメージを受ける内容。

今の世界の現状を見て書かれた曲かもしれません。

でも、最後には立ち上がって進んでいく、自分で努力する、現状を打開する、

そんなエネルギーを感じるような内容になっています。

アルバムを通してこの曲はいい味付けになっていますね。

 

11、『Forever Now』

 

American Idiotの始まりのようなギターリフから始まり・・・

『おっt!!!』っと思ったらすぐに、キャッチーなメロディとグリーンデイらしい演奏が始まります。

最近のグリーンデイのアルバムで頻繁に使われていた『組曲』の構成になっています。

相変わらず組曲のつながり、メロディ展開など、

『さすがグリーンデイ』と感じるようなクオリティの高い仕上がりになっています。

組曲の作りかた、聴かせ方も驚くほど上手いですね。

 

歌詞は、もがき苦しみながらも、明日が分からなくとも、

なんとか前に進んでいく、何かを変えようとする、そんな姿勢を感じる内容。

なんともGREEN DAYらしい歌詞になっていますね。

 

12、『Ordinary World』

 

ビリー主演の映画のために書き下ろしたというこの曲。

アルバムの最後にふさわしい曲になっています。

アコースティックギターとビリーの素敵な歌声が印象的。

少しカントリーチックなメロディですね。

ノラジョーンズとのコラボ作品を連想させられます。

こういう静かなアコースティックソングも最高の仕上がりです。

 

歌詞もシンプルで素敵。

冴えない男性の姿が連想されます。

それでも、この平凡な毎日に価値を感じる。

なんとも愛らしい、心が温かくなる歌詞ですね。

こんな主題歌の映画であれば、きっと素晴らしい出来の映画でしょう。

シンプルなパンクロックアルバムの最後を締めくくる、幸せな楽曲です。

 

『REVOLUTION RADIO』感想まとめ

 

 

アルバム全体を通して、まさにGREEN DAYの最高傑作と言えます。

DookieからREVOLUTION RADIOまでリアルタイムで聴いてきて、

アルバムが出るたびに、早く聴きたくてワクワクする、

そして実際に聴いてみると、毎回想像を上回る完成度。

こんな素晴らしいバンド、世界中探しても簡単に見つかるものではありません。

 

今回のアルバムはシンプルなパンクロックが聞けるアルバムですが、

構成、メロディの質、展開、ドラムやベースの演奏の良さ、歌詞、

普通のパンクバンドでは到底到達することができない境地に達していると感じます。

シンプルに聴こえても、実は何十年もやってきた彼らにしか作れない素晴らしさがたくさん詰まっています。

ロックの殿堂入りを果たしても、これほど精進するバンドも珍しいですね。

私たちの日々の生活や仕事にも、彼らの姿勢を取り入れたいものです。

 

彼らの音楽は『パンク』と言われていますが、

アルバムの解説にもあったように、パンクは弱い立場の人間、アウトローのための音楽。

忙しい日々を生きていると、自分の気持ち、夢、やりたいこと、言いたいこと、

それらを押しつぶしてなんとなく生きている人がほとんどだと思います。

気がつけば、いつの間にかたくさんのことを諦めてしまっています。

そして自分の頭で考えること、おかしいことをおかしいと言うこと、

自分の気持ちに正直でいること、大切なことをたくさん忘れてしまっています。

 

彼らは今まで一貫して、本当の自分で生きること、

そしてその気になればなんでも変えることができること、

全ては自分次第であること、そんな考えを伝えてくれているような気がします。

彼らの音楽を聴くと、いつもエネルギーが湧き上がってくるのを感じます。

もう一度本気で頑張ってみようという気持ちにさせてくれます。

グリーンデイの新作を聴いて、こらからのことを本気で考えてみています。

音楽は常に私たちとともにあるので、日々の生活のエネルギーにしたいものです。

 

そしてグリーンデイのライブは、観客の歌声が本当に凄まじいですね。

むしろうるさすぎてビリーの声が聞こえないほどです。

彼らのステージパフォーマンスは、常に全てを出し切る本気の姿勢。

命がけで全てをぶつけてくるのを感じ取れます。

マイクとトレの演奏、会場との相乗効果、全てが素晴らしいショーなのです。

早く来日してくれることを願いながら、このアルバムを聴き込みたいと思います。

この歳になってもリアルで彼らのアルバムが聴けることに感謝。

 

グリーンデイのような『極上のメロディ』が聴けるアルバム30選も合わせてご覧ください。

 

レボリューション・レディオ [ グリーン・デイ ]